自分で作る布基礎

布基礎:知っておくべきことすべて

布基礎は、建物の全周にわたって、すべての耐力壁(内外問わず)を含む閉じた鉄筋コンクリートの帯状構造です。この構造は、建物からの荷重を地盤に均等に分散させます。その信頼性と比較的簡単な建設方法により、布基礎は、軽量な木造家屋から重量のあるレンガ造りやコンクリート造りの家屋まで、個人住宅建築において最も人気のある解決策の一つです。

布基礎の種類

布基礎は、いくつかの重要なパラメータに基づいて分類されます。

1. 施工方法別:

  • 一体型(モノリシック):このタイプの基礎は、建設現場で直接コンクリートを流し込みます。鉄筋の枠組みを組み、その後にコンクリートを流し込むプロセスで、構造の一体性と高い強度を確保します。
  • プレハブ型:工場で製造された鉄筋コンクリートブロックで構成され、現場に運ばれてクレーンで設置されます。ブロックはセメントモルタルで接合されます。

2. 基礎の深さ別:

  • 浅基礎(メロウ):深さ50~70cmに設置されます。このタイプは、木造や軸組構造の家屋などの軽量な構造物や、地盤の凍上性が低い場合の物置などに適しています。
  • 深基礎:この基礎は、地盤の凍結深度よりも深く設置されます。コンクリートやレンガの壁、重い床版を持つ重量の家屋、特に凍上性地盤で建物の凍上による変形を防ぐために必要です。

適用範囲

布基礎は汎用性が高く、以下の建設に適用されます。

  • 密度が1000~1300kg/m³を超えるコンクリート、石造り、またはレンガ造りの壁を持つ家屋。
  • 一体型またはプレハブ式の鉄筋コンクリートスラブのような重い床版を持つ建物。
  • 基礎の壁が地下室の壁となるため、地下室や半地下のある家屋。
  • 起伏のある敷地内の建築物。

利点と欠点

利点欠点
信頼性と耐久性:かなりの荷重に耐えられます。材料消費量が多い:大量のコンクリートと鉄筋が必要です。
汎用性:ほとんどの種類の建物や地盤に適しています。労力がかかる:かなりの土工と型枠の設置が必要です。
地下室の設置が可能:基礎の壁が床下の壁として機能します。費用が高い:独立基礎や杭基礎と比較して。
簡単な技術:基礎スラブと比較して、建設技術は比較的単純です。軟弱地盤での難しさ:非常に軟弱な地盤や泥炭地では、複合基礎が必要となる場合があります。

建設の主要段階

  1. 墨出し(配置):敷地内に将来の基礎の軸を墨出しします。
  2. 土工:必要な深さと幅のトレンチを掘ります。
  3. 砕石敷き(地業):トレンチの底に砂と砕石の層を敷き詰め、転圧します。
  4. 型枠設置:コンクリートを流し込むための型枠を組み立てます。
  5. 鉄筋工事:型枠内に金属製の鉄筋枠を組み、強度を高めます。特に角の部分に注意を払います。
  6. コンクリート打設:型枠にコンクリート混合物を流し込みます。
  7. 防水:コンクリートが強度を発揮した後、湿気から保護するために防水材で覆います。

布基礎の適切な選択と建設技術の遵守は、建物全体の耐久性と安定性を保証します。

自分で家を建てるための布基礎の作り方

布基礎を自分で建てるのは難しい作業ですが、技術と正しいアプローチを厳密に守れば可能です。このステップバイステップガイドは、プロセスのすべてのニュアンスを理解するのに役立ちます。

ステップ1:設計と計算

建設に取り掛かる前に、綿密な準備を行う必要があります。

  • 地質調査:敷地の地盤の種類、地下水面、凍結深度を特定することは極めて重要です。これらのデータは、布基礎のタイプ(浅基礎か深基礎か)とそのパラメータの選択に直接影響します。本格的な調査を単独で行うのは困難なため、専門家に依頼することをお勧めします。
  • 荷重計算:将来の家の総重量(壁、床、屋根、積雪荷重、積載荷重を含む)を計算する必要があります。これにより、基礎の最適な幅を決定できます。
  • プロジェクト作成:地質データと荷重計算に基づいて、基礎のプロジェクトが作成されます。これには、基礎の寸法、設置深度、鉄筋の配置図、およびコンクリートの強度等級が示されます。

ステップ2:準備作業と墨出し

  1. 敷地の準備:敷地からゴミを取り除き、表土を剥ぎ取り、地均しする必要があります。
  2. 基礎の墨出し:杭とロープを使用して、将来の基礎の軸をプロジェクトに従って正確に墨出しします。すべての角(厳密に90度であるべき)と対角線を注意深く確認することが重要です。

ステップ3:土工

  • トレンチ掘削:墨出しに従ってトレンチを掘ります。トレンチの壁はできるだけ垂直である必要があります。トレンチの深さは基礎のタイプによって異なります。
  • 浅基礎:50〜70cm。
  • 深基礎:お住まいの地域の地盤凍結深度より20~30cm深く。
  • 砕石敷き(地業):トレンチの底に砂の層(15~20cm)を敷き詰め、水をかけて念入りに転圧します。砂の上に同厚の砕石の層を敷き、これも同様に固めます。この地業は、地盤への荷重を均等に分散させる役割を果たします。

ステップ4:型枠の設置

型枠は、コンクリートが流し込まれるための型です。

  • 材料:型枠は、ほとんどの場合、厚さ25〜50mmの荒材の板で組み立てられます。
  • 組み立て:型枠のパネルはトレンチの端に設置されます。コンクリートの圧力で変形しないように、支え棒や控えでしっかりと固定する必要があります。
  • 防水:型枠の内側には、厚手のポリエチレンフィルムまたはルーフィング材を敷くことをお勧めします。これにより、コンクリートからのセメントミルクの漏出を防ぎ、地盤からの湿気から基礎を保護します。

ステップ5:鉄筋工事

鉄筋フレームは、コンクリート構造物に曲げと引張に対する強度を与えます。

  • 材料:縦筋には直径10~16mmの異形鉄筋、横筋(フープ)には直径6~8mmの丸鋼が使用されます。
  • 鉄筋の結束:縦筋は2段(基礎の上下)に配置され、結束線で垂直方向および水平方向の横筋と結合されます。溶接は金属を弱める可能性があるため、使用は推奨されません。
  • かぶり厚さ:鉄筋と型枠の壁(コンクリートのかぶり厚さ)の間に最低5cmの隙間を確保することが重要です。これには特殊なプラスチック製のスペーサー(「スター」型)が使用されます。

ステップ6:コンクリート打設

  • コンクリートの選択:布基礎には通常、M200~M300のコンクリートが使用されます。
  • 打設:建築基準によれば、一体型基礎の打設は、構造の強度を低下させる「コールドジョイント」の形成を避けるために、一度に行う必要があります。このため、工場から生コンクリートを注文し、圧送にはコンクリートポンプを使用するのが最適です。
  • 締固め:打設中に、コンクリートを内部振動機で締固める必要があります。これにより気泡が除去され、モノリスの構造がより密実で均質になります。

ステップ7:コンクリートの養生と防水

  • 養生:打設後、コンクリートは急激な水分の蒸発を防ぐためにシートで覆う必要があります。暑い時期は、最初の1週間は定期的に水をまくべきです。
  • 型枠の撤去:コンクリートが十分な強度を発揮した後、約7~10日で型枠を取り外すことができます。
  • 防水:完全に乾燥した後(約28日後)、基礎の外壁は地中水から保護するためにアスファルトマスチックで処理するか、シート防水材で覆う必要があります。

布基礎の建設は、家全体の耐久性を左右する重要なプロセスです。いずれかの段階で疑問が生じた場合は、プロの建設業者に相談することをお勧めします。

ビデオ解説:自分で布基礎を正しく作る方法

見落とせない重要な詳細

補足1:配管用スリーブの埋め込み

なぜ重要か:固まった一体型基礎に排水管、水道管、またはケーブルを通す作業は、非常に手間がかかり、費用も高く、リスクを伴います。穿孔は構造を弱め、鉄筋を損傷する可能性があります。

正しい方法:

  • 鉄筋工事の段階で:コンクリートを打設する前に、配管用スリーブ(実際の配管よりも直径の大きいプラスチック管またはアスベストセメント管の切片)を計画し、設置する必要があります。
  • 配置:スリーブは、住宅の設備配管設計に厳密に従って型枠に設置されます。これらは地盤凍結深度よりも低い位置に配置する必要があります。
  • 固定:スリーブは鉄筋フレームにしっかりと固定され、コンクリート打設中にずれないようにします。

補足2:床下換気口

なぜ重要か:家が根太による木製床(地盤上のコンクリートスラブではない)を計画している場合、密閉された床下空間に湿気が溜まります。これは必然的にカビの発生、木構造の腐敗、そして基礎自体の破壊につながります。

正しい方法:

  • 計画:基礎の地上部(布基礎立ち上がり部分)に換気口(床下換気口)を設ける必要があります。
  • 計算と配置:床下換気口は、換気を確保するために基礎の反対側の壁に配置します。推奨される間隔は、互いに2~3メートル以内、地盤面から15cm以上です。
  • 設置:配管用スリーブと同様に、床下換気口(多くの場合、直径100~150mmのアスベストセメント管またはプラスチック管の切片)は型枠設置の段階で埋め込みます。冬場は保温のために特別な格子や蓋で閉じます。

補足3:排水システムの設置

なぜ重要か:地下水位(UGL)が高い敷地や、水はけの悪い粘土質地盤では、基礎の周囲に水分が溜まります。水との constantな接触と強い凍上は、コンクリート基礎を深刻に損傷し、さらには破壊する可能性があります。

正しい方法:

  • 排水の種類:通常、壁際環状排水が使用されます。
  • 工法:基礎の周囲、その基底レベルに、わずかな勾配をつけたトレンチを掘ります。底部にはジオテキスタイルを敷き、砕石層を敷き詰め、特殊な排水管(穿孔されたもの)を設置し、その上から砕石を埋め戻し、残りのジオテキスタイルで覆います。
  • 排水:集められた水は、排水槽または雨水排水路に排出されます。

補足4:埋め戻しと断熱犬走り

なぜ重要か:これら2つの要素は、凍上力から基礎を保護し、地表水を排出するために連携して機能します。

  • 埋め戻し:
  • 材料:基礎の壁とトレンチの間の隙間を、以前掘り出した凍上性のある土壌(粘土、ローム)で埋め戻すことはできません。そのためには、凍上性のない材料、すなわち砂または砂利混合物(PGS)を使用します。
  • 工法:埋め戻しは層状(20~30cmごと)に行い、各層を必ず転圧します。これにより、将来の家の周囲の地盤沈下を防ぐことができます。
  • 断熱犬走り(アトモストカ):
  • 目的:犬走りは、雨水や融雪水を基礎の壁から遠ざけます。犬走りの断熱(例えば、押出法ポリスチレンフォーム板による)は、その下の地盤が凍結するのを防ぎ、基礎に作用する凍上力を大幅に軽減します。
  • 構造:犬走りは家から離れる方向に勾配(3~5%)をつけ、幅は80~100cm以上とします。

これらの段階を布基礎建設の計画に含めることで、その信頼性が大幅に向上し、建物全体の長期的な耐用年数が確保されます。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です